詠種子島氏

赤斿破去有孤兒
遠下南荒裔冑滋
七百年間三十世
二千里外備蠻夷

2009年10月作

押韻

兒・滋・夷:上平声四支声

訓読

種子島氏を詠ず

赤斿 破れ去って 孤児有り
遠く南荒に下りて裔冑 滋(しげ)し
七百年間 三十世
二千里外 蛮夷に備ふ

種子島氏「謁種子島時堯墓 其一」の注を参照。
赤斿:平家の赤い旗。種子島氏の家譜によれば、平清盛の孫、行盛の遺児が平家滅亡後に種子島に下り、種子島氏の初代となったという。
南荒:南方の果ての地
裔冑:遠い子孫

種子島氏のことを詠じる

平家が滅亡し、その赤い旗も破れ去って、ひとりの孤児がのこされた
彼は遠く南方の果ての地へ下ってそこで子孫を残し、子孫は繁栄した
そして彼らは七百年間、三十代にわたって
都から二千里も離れた遠い地で異国からの侵略に備える役割を果たしたのだ

補足

冒頭の写真は種子島の海です。