船向鎮西 其二

三更欲雨海風強
雲端猶餘孤月光
遠去浪華程未半
客船載夢向西方

2009年10月

押韻

強・光・方:下平声七陽韻

訓読

船にて鎮西に向かふ 其の二

三更 雨ふらんと欲して 海風強く
雲端 猶ほ餘す 孤月の光
遠く浪華を去るも 程 未だ半ばならず
客船 夢を載せて 西方に向かふ

三更:午前0時前後。真夜中

船で九州に向かう その二

真夜中,雨が降り出しそうで海の風が強いが
雲のはしにはまだ孤独な月の光がまだ見えている
大阪からは遠く離れたけれども,旅の道のりはまだ半分もすぎておらず
船は眠る旅客たちの夢をのせて西へと向かう