船過明石海橋下

回首難波港已遙
航程萬里夜迢迢
任他星漢没雲裏
九色千燈繍海橋

2009年10月

押韻

遙・迢・橋:下平声二蕭韻

訓読

船にて明石海橋の下を過ぐ

首を回らせば難波の港は已に遙かに
航程 萬里 夜迢迢
任他(さもあらばあれ) 星漢の雲裏に没するは
九色の千燈 海橋を繍す

難波:大阪
迢迢:はるかなさま
任他:「遮莫」に同じ。「さもあらばあれ」と訓じ,以下のことはどうでもいい,かまいはしない,の意。
星漢:天の川
雲裏:雲のうち
九色:さまざまな色
:ぬいとりする,転じて美しく飾る
海橋:海にかかる橋

船で明石海峡大橋の下を通過する

ふりかえって見渡すと大阪の港はすでにはるか遠く
船旅は万里のみちのり,夜ははるか長く続く
天の川が雲の中に隠れてしまっていることなどかまいはしない
そのかわりに色とりどりの幾千もの灯りが海峡大橋を美しく飾り立てているのだから

補足

フェリーの中の食堂で食事を終え,自分のベッドでくつろいでいると,「まもなく明石海峡大橋の下を通過します」というアナウンスが流れたので甲板に出て写真を撮りました。ケータイのカメラではこれが限界でした。