發麑城赴屋久島舟中 其二【2009.10】(麑城を発して屋久島に赴く舟中 其の二)
發麑城赴屋久島舟中 其二
隅國山連雲覆嶺
薩州濱盡海支穹
汽船進處魚深匿
鷗鳥空飛煙雨中
2009年10月作
押韻
穹・中:上平声一東韻 対句のため起句は踏み落とし
訓読
麑城を発して屋久島に赴く舟中 其の二
隅国の山 連りて 雲 嶺を覆ひ
薩州の浜 尽きて 海 穹を支ふ
汽船 進む処 魚 深く匿れ
鷗鳥 空しく飛ぶ 煙雨の中
注
隅國:大隅
薩州:薩摩
穹:そら
鷗鳥:カモメ
訳
鹿児島を出発して屋久島に向かう船の中の作 その二
大隅のほうを見れば山が連なって雲が嶺々を覆い
薩摩のほうを見れば浜が尽きて海が空を支えている
汽船が進むと魚は驚いて海中深くかくれてしまい
カモメは得るところなく霧雨のなかを空しく飛んでいる
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