訪門倉岬有感 其二【2009.10】(門倉岬を訪れて感有り 其の二)

2009年10月21日水曜日

詠史 鹿児島県 種子島




訪門倉岬有感 其二

五百年前海不康
紫髯蠻客繋舟航
日南自聽一鎗發
天下忽看六國亡

2009年10月作

押韻

康・航・亡: 下平声七陽韻

訓読

門倉岬を訪れて感有り 其の二

五百年前 海 康からず
紫髯の蛮客 舟航を繋ぐ
日南に一鎗の発するを聴きてより
天下 忽ち看る 六国の亡ぶを

門倉岬「訪門倉岬有感 其一」の注を参照
紫髯:紫がかった色の髯。異民族の顔の形容。岑参《胡笳歌送顔真卿使赴河隴詩》「紫髯緑眼胡人吹」
日南:太陽の南、南方の遠い地。
:銃、鉄砲。
六國:中国の戦国時代(紀元前4~3世紀)、最終的に秦に滅ぼされた燕・斉・趙・韓・魏・楚の6ヶ国。ここでは天下統一の過程で織豊政権に滅ぼされたり臣従したりした諸大名を指す。

門倉岬を尋ねて感じたこと

今から約五百年前、日本の周りの海はおだやかではなく
紫がかった色の髯をした異人がここに舟をつないだ。
中央から遠いこの南方の地で一挺の銃の発砲を聞いてから
たちまちにして天下は諸大名が織田・豊臣に滅ぼされて統一されていくのを見ることになった