櫻嶽

灣裏風微潮氣香
孤峰崛起水中央
山容樸訥且剛毅
萬歳永支天一方

2009年10月

押韻

香・央・方:下平声七陽韻

訓読

桜岳

湾裏 風 微かにして潮気香し
孤峰 崛起す 水の中央
山容 樸訥にして且つ剛毅
万歳 永へにに支ふ 天の一方

櫻嶽:桜島
湾裏:湾の中
崛起:急にそびえ立つ
山容:山のすがた
樸訥:飾り気がなく口下手であるさま
剛毅:心が強くしっかりしているさま。《論語・子路》「剛毅木訥、近仁(剛毅木訥、仁に近し)」

桜島

錦江湾の中では風がかすかに吹き、潮が香る
水の真ん中からひとつの山が険しくそびえ立つ
山の姿は飾り気がなく、しかも心の強いしっかりした様子
この山は幾万年もずっと天の一方を支え続けているのだ

補足

転句六字目の「剛」は冒韻ですが、ここは仕方ないと考えて、そのままにしています。