屋久島曉景

濯出群峰朝雨晴
波間旭日破雲生
甘蕉葉上一餘滴
正欲落時光似瑛

2009年10月作

押韻

晴・生・瑛:下平声八庚韻

訓読

屋久島暁景

群峰を濯ひ出だして 朝雨 晴れ
波間の旭日 雲を破りて生ず
甘蕉葉上の一餘滴
正に落ちんと欲する時 光 瑛に似たり

甘蕉:バナナ
餘滴:雨がのこしたしずく
瑛:透明な宝石、水晶の類

屋久島の明け方の景色

たくさんの峰峰を洗い出した朝の雨が晴れ上がり
波間の朝日が雲を突き破って生まれてくる
バナナの葉の上に雨が残したひとしずくが
今まさに落ちようとするとき、その光は水晶のように輝く