紀元杉【2009.10】
紀元杉
近年應見尚朝滅
遠紀或看倭國興
半萬年間非莫伴
以風爲友雨爲朋
2009年10月作
押韻
興・朋:下平声十蒸韻 起句は対句のため踏み落とし
訓読
紀元杉
近年 応に見るべし 尚朝の滅ぶを
遠紀 或ひは看しならん 倭国の興るを
半万年間 伴 莫きにしも非ず
風を以て友と為し 雨を朋と為す
注
紀元杉:樹齢約3000年といわれる有名な屋久杉。
尚朝:琉球国の尚氏の王朝。15世紀に琉球を統一してのち450年にわたって琉球を支配した。17世紀以降、薩摩藩の実質的な支配下に入りながら、一方で清からの冊封も受け続けつつ、王統を維持したが、第1次・第2次琉球処分により琉球王国は滅亡して沖縄県となった。
遠紀:遠くはるかな昔。紀は100年。
伴:仲間
訳
紀元杉
近い時代にはきっと琉球王国が滅ぶのを見たにちがいないし
遠い昔にはあるいは日本が誕生したのも見守っていたかもしれない
五千年の長きにわって生き続けるこの杉には、仲間などいないように思うかもしれないがそういうわけでもない
風を友とし、雨を友としているのだから
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