登阿蘇山 其三

岩傾徑仄嶽巍巍
草木不生禽不飛
噴火口辺煙帯熱
硫磺臭気染征衣

2009年10月作

押韻

巍・飛・衣:上平声五微韻

訓読

阿蘇山に登る 其の三

岩 傾き 徑 仄(かたむ)き 嶽 巍巍たり
草木 生ぜず 禽 飛ばず
噴火口辺 煙 熱を帯び
硫磺の臭気 征衣に染む

巍巍:高くけわしいさま
:かたむく
硫磺:硫黄
:しみこむ

阿蘇山に登る その三

岩が傾き、山道も傾き、山はけわしくそびえ
草木ははえず、鳥も飛ばない
噴火口のあたりでは煙は熱を帯び
硫黄のにおいが旅衣にしみこんでいく

補足

阿蘇山頂の3首目です。