雪後即目

夜來冷氣濯蒼穹
遠近楓林白雜紅
靜晝無風梢落雪
將融積素更玲瓏

2008年12月

押韻

穹・紅・瓏:上平声一東韻

訓読

雪後即目

夜来の冷気 蒼穹を濯ひ
遠近の楓林 白 紅に雑る
静昼 風無くして 梢 雪を落とし
将に融けんとして積素 更に玲瓏たり

即目:目に触れた景色.またそれを詠んだ詩
:まじる
積素:字義どおりには積み重なった白絹.転じて積もった雪のこと.

雪の後の景色

昨夜からの冷気に洗われた青空が広がり
あちこちのカエデの林では雪の白がもみじの赤の中に混じっている
風もない静かな昼に梢から雪が落ち
今まさにとけかかった雪はいっそうあでやかに美しい

補足

12月のはじめに,職場の人たちと丹後へ日帰り旅行に行ったのですが,そのときにできた詩です.前夜に雪が降ったらしく,山の木々はうっすら白いものをかぶっており,昼食のカニ料理をいただいた旅館の庭には積もった雪が輝いていました.