歳晩書懐 其二【2019.12】(歳晩 懐を書す 其の二)

2020年1月11日土曜日

七言絶句 春風吟社 題詠 年末



歳晩書懷

獨收亂帙一燈寒
烏兎怱忙臘已殘
自問今年何學得
近來漸悟作詩難


2019年12月作

押韻

寒・殘・難:上平声十四寒韻

訓読

歳晩 懐を書す

独り乱帙を収むれば 一灯 寒し
烏兎 怱忙として 臘 已に残す
自問す 今年 何をか学び得たると
近来 漸悟す 詩を作ることの難きを

亂帙:取り散らかった書物。帙はふまき、ふみづつみ、和とじの書物を包むおおい。菅茶山《冬夜読書》「閑收亂帙思疑義 一穂靑燈萬古心」 
烏兎:月日
:十二月
:そこなう、かける。ここでは十二月が残りわずかとなること。
近來:ちかごろ
漸悟:仏教語。修行を経て次第に悟ること。

年の暮れに思いをのべる

ひとりさびしく散らかった書物を片付けていると、部屋のあかりも寒々しく感じる
歳月はあわただしく流れ、師走ももう残りわずかとなった
この一年、はたして何を学びえたのだろうかと自問してみると
ちかごろやっと詩を作ることの難しさがだんだんとわかってきたことぐらいだ

補足

春風吟社の12月提出の題詠です。この月は題詠を2首提出しました。

池波正太郎『剣客商売』で「剣術というものは、一生懸命やって先ず十年。それほどにやらぬと、おれは強いという自信(こころ)にはなれぬ」「十年やって、さらに十年やると、今度は、相手の強さがわかってくる」「三十年も剣術をやると、今度は、おのれがいかに弱いかということがわかる」「四十年やると、もう何がなんだか、わけがわからなくなる」という言葉がでてきますが、なんとなくそれを思い出しながら結句を作りました。僕もようやく「相手(漢詩)」の手強さがわかってきたところです。早く「何がなんだか、わけがわからなく」なりたいです。