一碧湖 其二

涵天湖水碧於天
風定山幽鳥語鮮
遊子心頭詩興起
欲令爽気入新篇

2008年11月

押韻

天・鮮・篇:下平声一先韻

訓読

一碧湖 其の二

天を涵して湖水は天より碧く
風定まり山幽かにして鳥語鮮やかなり
遊子の心頭 詩興起こり
爽気をして新篇に入らしめんと欲す

涵:ひたす.水が物を映しているさまをいうときにしばしば用いる
遊子:旅人
心頭:こころ、胸の内。
令:使役の助動詞。「~に・・・させる」

一碧湖 その二

空を映す湖の水は空よりもあおく
風がおさまって山は静まり、鳥の声が鮮やかに聞こえる
旅人である私の心には詩を作りたい気持ちが起こる
この爽やかな空気を新しい詩の中に入れたいものだ

補足

一碧湖を訪れたときは見事なまでの晴天で、青空を映した透明度の高い湖水がキラキラ輝いて、まさに湖全体が巨大な宝石のようでした。別の季節にも見てみたいと思わせる湖です。