自熱海至初島船中作 其一

陽光遍照海邊樓
日午港門波浪柔
汽笛悠揚鷗不愕
如今船發景將流

2008年11月

押韻

樓・柔・流:下平声十一尤韻

訓読

熱海より初島に至る船中の作 其の一

陽光 遍く照らす 海辺の楼
日午の港門 波浪柔らかなり
汽笛悠揚として 鷗 愕かず
如今 船発して 景 将に流れんとす

日午:真昼
如今:いま

熱海から初島までの船の中の作 その一

陽光は海辺のビルをあまねく照らし,
真昼の港は波が穏やか.
汽笛の音ものんびりしているので,カモメも驚かない
今,船が出発して,まさに景色が後ろへ流れていこうとしている

補足

初島は熱海沖に浮かぶ周囲4kmの島です.熱海港からイールド・バカンス号という船が出ており,それに乗れば25分で初島に到着します.出航を待つ間,船の甲板から熱海の景色を眺めていると,旅館やホテルがひざしを受けて輝くさまがなかなか壮観でした.