大室山頂即目【2008.11】
大室山頂即目
全山茅茷動秋光
遠近有人斜影長
千歳無炎噴火口
激風集聚響凄涼
2008年11月
押韻
光・長・涼:下平声七陽韻
訓読
大室山頂即目
全山の茅茷 秋光を動かし
遠近 人有りて 斜影長し
千歳 炎無し 噴火口
激風 集聚して 響き凄涼たり
注
即目:目に触れたもの。
茅茷:ススキの茂み。茅は訓読みすると「かや」だが、カヤに限らず、ススキ、スゲなどを含めたイネ科の多年草の総称。
集聚:あつまる
訳
大室山頂の景色
山全体をおおうススキの茂みは風にゆれて秋の日の光を動かし
あちこちに立つ人の影が斜めに長く伸びている
千年の間,炎を噴いたことのない噴火口では
激しく吹く風が集まって,その響きはものさびしいかぎりだ
補足
大室山の山頂には火口があります。その中はなぜかアーチェリー場になっており、アーチェリーをやる人以外は立ち入り禁止になっています。
天候にもよるのでしょうが、山頂の風はかなりのものです。太平洋側の遊歩道を歩いているときなどは海に吹き落とされるんじゃないかとちょっと怖い思いをしました。
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