伊豆仙人掌公園

袋鼠犰狳喜午晴
鵜鶘紅鶴不知爭
此園疑在扶桑外
仙掌仙球一様明

2008年11月

押韻

晴・爭・明：下平声八庚韻

訓読

伊豆仙人掌公園

袋鼠 犰狳 午晴を喜び
鵜鶘 紅鶴 争ひを知らず
此の園 疑ふらくは扶桑の外に在るかと
仙掌 仙球 一様に明らかなり

注

袋鼠：カンガルー
犰狳：アルマジロ
鵜鶘：ペリカン
紅鶴：フラミンゴ
扶桑：日本
仙掌・仙球：仙人掌・仙人球の略．ともにサボテンのこと．てのひらのような形のものを仙人掌，ボールのように丸っこいのを仙人球，塔のような形のものを仙人塔などという．

訳

伊豆シャボテン公園

カンガルーやアルマジロが昼の晴れた天気を喜び，
ペリカンやフラミンゴは争うことを知らず，のんびり過ごしている．
この公園は日本でないどこかにあるのではないかと疑ってしまう．
平べったい葉のサボテン，丸っこいサボテンが日に照らされて一様に明るい．

補足

伊豆サボテン公園は大室山のそばにある動植物園です．1500種ともいうサボテンが栽培され，リスザルやカンガルー，ペリカン，カピバラなどが放し飼いされています．アルマジロは室内で飼われていましたが，なぜかものすごい勢いで部屋の中を走り回っていました．アルマジロがあんなに活動的だとは知りませんでした．なんにせよ，これだけたくさんの種類の珍しい動物を間近に見られる施設はあまりないと思います．
なお，サボテンが売りのこの公園では，サボテン入りホットドッグなどを味わうこともできますが，当然のことながら幻覚などは見えません．変な期待をして行くのはやめましょう．