探梅【2009.02】
探梅
白蕾未開香未濃
樹姿如鶴影如龍
無端一日探梅暮
遙對夕陽聴梵鐘
2009年2月
押韻
濃・龍・鐘:上平声二冬韻
訓読
探梅
白蕾 未だ開かず 香 未だ濃かならず
樹姿 鶴の如し 影 龍の如し
端無くも 一日 梅を探して暮れ
遥かに夕陽に対して 梵鐘を聴く
注
無端:おもいがけず
訳
探梅
白い蕾はまだ開かず,濃い香りがただようこともない
樹の姿は鶴のよう,影は龍のようだ
おもいがけず,梅を探すうちに一日が暮れてしまい
遠く沈む夕陽に向かい合って,寺の鐘を聴くこととなった
補足
城陽市には青谷という梅の名所があり,梅まつりも開かれます.梅まつりの最中になると人があふれかえり落ち着いて梅が見れないのではないかと考え,梅まつりが始まる前に一度訪れたのですが,さすがに早すぎたらしく,まだ二,三分咲きで梅の名所らしい景色は見ることができませんでした.それでもすでに咲いている木もいくつかあり,そのときの景色をもとに何首か詩もできたのですが,やはり欲求不満の感は否めず,結局3月に入って再度訪れてしまいました.今度はさすがこれぞ梅の名所と満足できる咲き具合で,紅梅白梅咲き競い,遠く眺めやれば雲か霞とみまがうばかりで,見物人の多さも気にさせないほどの美しさでした.おかげで断片的な詩句と形にならない詩想が山のように貯まってしまい,その後しばらくはそれらの中から使えるものを拾い出してなんとか詩の形に仕立て上げることに四苦八苦していました.ようやくある程度のめどがついたので,まとめてこちらに書いていこうと思います.
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