早春偶成

風柔日淡一条徑
花冷香淸數樹梅
早春佳景総如水
且歩且吟俗念灰

2009年3月

押韻

梅・灰:上平声十灰韻.対句のため起句は踏み落とし

訓読

早春偶成

風 柔らかく 日 淡し 一条の径
花 冷ややかに 香 清し 数樹の梅
早春の佳景は 総べて水の如し
且つ歩み 且つ吟じれば 俗念 灰す

且歩且吟:歩きながら詩を口ずさむ.且A且Bで,「AしながらBする」「一方ではAし,他方ではBする」「AしたりBしたりする」を意味する
:ここでは動詞.灰となる.消えてなくなる

早春たまたまできた詩

風はやわらかく,日差しは淡い一本のこみち
花は冷ややかに輝き,香りは清らかにただよう数本の梅
早春のよき景色は,柔らかく,淡く,冷ややかで,清く,総じて水のよう
歩きながら詩を口ずさめば,俗念が消えてなくなる

補足