早春隔琵琶湖望比良山

浮天雪白比良峰
足下菜花黄若洶
寒浪滿湖光滿圃
長堤恰似劃春冬

2009年3月

押韻

峰・洶・冬:上平声二冬

訓読

早春 琵琶湖を隔てて比良山を望む

天に浮かぶ雪は白し 比良の峰
足下の菜花 黄 洶くが如し
寒浪 湖に満ち 光 圃に満つ
長堤 恰かも似たり 春冬を画するに

比良:琵琶湖西岸に連なる山地
:わく.湧き立ち,逆巻く
:区切る

早春に琵琶湖ごしに比良の山々を望む

空に浮かぶかのような残雪が白くかがやく比良の峰々
足下の菜の花は咲き誇り,その黄色が湧き立ち逆巻くようだ
琵琶湖には寒々しい波が満ちているが,菜の花畑には明るい光が満ちている
長い堤があたかも春と冬を区切っているかのようだ

補足

菜の花咲き乱れる第一なぎさ公園から比良山地を望んで作った詩です.写真でははっきりしませんが,肉眼では比良の残雪がくっきり見え,咲き乱れる菜の花との対照が見事でした.