暗香未起日西移
痩影徒長風滿枝
勿力勿爭紅白蕾
先他不及順天時

2009年2月

押韻

移・枝・時:上平声四支韻

訓読


暗香 未だ起こらず 日 西に移り
痩影 徒らに長く 風 枝に満つ
力むる勿かれ 争ふ勿かれ 紅白の蕾
他に先んずるは天の時に順ふに及ばず

暗香:文字通りにはほのかな香り.北宋の林和靖が「暗香 浮動して 月は黄昏」と詠んで以来,もっぱら梅の香りをさす.
:ここでは無理に頑張る意


ほのかな香りがまだ起こらないまま日は西に傾き
やせ細った樹影はいたずらに長く伸び,風が枝に吹き満ちている
無理に頑張るな,他と競うな,紅白の蕾よ
他より先に咲くことよりも天の与えたタイミングを受け入れて咲くことのほうがすばらしいのだから.

補足