早春郊行

古徑年年聞鳥囀
冷葩歳歳占花魁
恍然佇立吸香氣
心魄欲淸於白梅

2009年3月

押韻

魁・梅:上平声十灰韻

訓読

早春郊行

古径 年々 鳥の囀りを聞き
冷葩 歳々 花の魁を占む
恍然として佇立し 香気を吸へば
心魄 白梅より清からんと欲す

冷葩:葩は花,花びら.冷やかな花.梅の花のこと.
花魁:梅は「二十四番花信風」(二十四節気のうち,小寒から穀雨まで,各節気を三分して五日を一候とし,それぞれの候にその時期に開く花を割り当てたもの)で小寒の第一候,つまりすべての花の先頭を切って花開くとされており,「百花の魁」と呼ばれる.
心魄:こころ

早春の田野を歩く

古いこみちでは毎年毎年,鳥のさえずりが聞こえ
白梅の冷ややかな花は毎年毎年,百花の魁の地位を占める
うっとりしてたたずみ,梅の香りを吸えば
心は白梅よりも清らかになりそうだ

補足