城陽城市之南有一村落曰觀音堂以産桃子甚有声価春日遊焉賞花作詩 其三【2009.04】(城陽城市の南,一村落有り,觀音堂と曰ふ,桃子を産するを以て,甚だ声価有り,春日焉に遊び,花を賞して詩を作る 其の三)
城陽城市之外有一村落曰觀音堂以産桃子甚有声価春日遊焉賞花作詩 其三
桃萼光時嬌囀響
菜花搖處妙香傳
且無高詠春郊美
徑畔草頭胡蝶眠
2009年4月
押韻
傳・先:上平声一先韻
訓読
城陽城市の南,一村落有り,觀音堂と曰ふ,桃子を産するに以て,甚だ声価有り,春日焉に遊び,花を賞して詩を作る 其の三
桃萼 光る時 嬌囀 響き
菜花 搖るる處 妙香 傳ふ
且く春郊の美なるを高詠する無かれ
徑畔の草頭 胡蝶眠る
注
桃萼:桃の花
嬌囀:かわいらしいさえずり
且く:「しばらく」と訓じ,「まあ,ちょっと」ぐらいの意味
草頭:草の先
訳
城陽の町のはずれに,観音堂という集落があり,桃の産地として有名である.春の日ここに出かけ,花をめでて詩を作った その三
桃の花が光るとき,鳥のかわいらしい囀りが響き
菜の花が揺れている辺りには,かぐわしい香りが伝わってくる
でも,まあちょっと今は,春の野の美しさを声高らかに吟じるのはやめてくれ
道ばたの草の先に,蝶々が眠っているのだから.
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