尋靑岸渡寺【2009.07】(青岸渡寺を尋ぬ)
尋靑岸渡寺
竹隙杉間煙霧流
蟬吟已遠鳥声幽
草中石磴遙通處
層塔飛泉並入眸
2009年7月
押韻
流・幽・眸:下平声十一尤韻
訓読
青岸渡寺を尋ぬ
竹隙 杉間 煙霧 流れ
蝉吟 已に遠く 鳥声 幽(しづ)かなり
草中の石磴 遥かに通ずる処
層塔 飛泉 並んで眸に入る
注
竹隙:竹と竹のすきま
石磴:石段
層塔:何層にもなった高い塔.青岸渡寺の三重塔のこと
飛泉:滝
訳
青岸渡寺を訪ねる
竹林や杉林のすきまを霧が流れ
蝉の鳴き声はすでに遠ざかり,鳥の鳴き声もしずか
草深い石段を遠く登っていった先では
三重塔と那智の滝とが並んで目にはいってきた
補足
那智の滝を紹介するガイドブックなどには,たいてい,那智の滝と朱色の三重塔が並んでいる写真が載っていますが,その三重塔があるのが,那智山青岸渡寺です.滝前のバス停の横から細い石段が山の中へとのびており,その長い石段を根気強く登っていくと青岸渡寺に到ります.三重塔の鮮やかな朱色と滝の白のコントラストはやはり一見の価値があります.
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