下那智山歸客舎

遠尋那智雨中彷
歸到灣頭一客房
脱却征衣含汗重
開窓對浦海風凉

2009年7月

押韻

彷・房・涼:下平声七陽韻

訓読

那智山を下りて客舎に帰る

遠く那智を尋ね 雨中に彷(さまよ)ひ
歸り到る 湾頭の一客房
征衣を脱却すれば汗を含んで重く
窓を開き浦に對すれば 海風 凉し

灣頭:湾のほとり
客房:旅館のへや
脱却:脱ぎすてる
征衣:たびごろも

那智山を下りて旅館に帰る

遠く那智山を尋ねて雨の中をさまよい歩いたあと
湾のほとりの旅館のへやにたどりついた
旅ごろもを脱ぎ捨てれば,汗を含んで重く
窓を開いて海辺と向き合うと,海風が涼しくここちよい

補足

那智の滝を見,青岸渡寺も尋ね終わったので,那智勝浦駅へ帰ろうとバスを待っていると,小雨が突如として横なぐりの豪雨に変わり,びしょ濡れになってしまいました.旅館に帰ってから,食事に出かけなければならないので服を着替えましたが,雨と汗を吸った服は重く,そして臭かったです.