次勝浦客舎早晨有作 其一

拭眵揩眼起枯身
向海開窓欠且伸
潮氣清涼除睡意
靜望遠浪客心新

2009年7月

押韻

身・伸・新:上平声十一真韻

訓読

勝浦の客舎に次りて早晨に作有り 其の一

眵を拭ひ 眼を揩りて 枯身を起こし
海に向かって窓を開き 欠し且つ伸びす
潮気 清涼にして 睡意を除き
静かに遠浪を望めば 客心 新たなり

:やどる.泊まる.
客舎:旅館
早晨:早朝
:めやに
:こする
枯身:やせた体
:あくびする.読みは「ケン」
:のびをする
客心:旅ごころ.旅人のよるべない心持ち.

勝浦の旅館にとまり,早朝に詩をつくった

目やにをぬぐい,眼をこすって,やせた身を起こし,
海にむかって窓をひらき,あくびと伸びをする
すると潮の香りが清涼で,眠気を取り除いてくれた
静かに遠くの波を眺めていると,旅人としてのよるべない思いが新たにわきあがってくる

補足

勝浦で泊まった旅館は全室オーシャンビューでしたので,朝すこし早目に起きて朝焼けの海景色を鑑賞しました.オーシャンビューというとすごい感じがしますが,料金は東横インと変わらないレベルでした(素泊まりですが).さらに温泉も源泉かけ流しでしたので,なかなかお得な一泊だったと思います.