次勝浦客舎早晨有作 其二

曉旦開窓涼氣通
潮香淡淡雨餘風
孤鳶一叫浦逾靜
島影模糊煙霧中

2009年7月

押韻

通・風・中:上平声一東韻

訓読

勝浦の客舎に次りて早晨に作有り 其の二

暁旦 窓を開けば 涼気 通じ
潮香 淡淡たり 雨余の風
孤鳶 一叫して 浦 逾よ 静かに
島影 模糊たり 煙霧の中

曉旦:あさ
雨餘:雨上がり
:ますます
模糊:ぼんやり

勝浦の旅館にとまり,早朝に詩をつくった

明け方,窓を開くと涼しい空気が通り抜け
潮の香りが淡く雨上がりの風にまじる
一羽のトビがひと鳴きして,浦の静けさはますますきわだち
島の影がぼんやりと朝霧の中に浮かんでいる

補足