夜看櫻花於鴨東白川 其二

雨後櫻花含涙重
雲中兔月匿顔姸
路頭既有千金景
何羨靑樓甲妓筵

2009年4月

押韻

姸・筵:下平声一先韻

訓読

夜 桜花を鴨東白川に看る 其の二

雨後の桜花は涙を含んで重く
雲中の兎月は顔を匿して妍なり
路頭 既に有り 千金の景
何ぞ羨まん 青楼 甲妓の筵

兔月:月.兔はウサギ.
靑樓:妓楼.ここでは茶屋のこと
甲妓:一流の妓女
:宴席

夜 桜花を鴨東白川に看る 其の一

雨上がりの桜は涙をためているかのように雨に濡れて重たく,
雲の中の月は顔を隠すかのように光を見せないのになまめかしい
この道べりに千金にあたいする見事な景色がある以上,
どうして一流の芸妓のはべる茶屋の宴席をうらやましく思うだろうか

補足

この詩は、平成21年度全日本漢詩大会で佳作に選ばれました。