客夜偶成【2009.07】
客夜偶成
暑夜征人夢易驚
半開暗牖立深更
始知快雨灑蘇鉄
花有微香葉有声
2009年7月
押韻
驚・更・声:下平声八庚韻
訓読
客夜偶成
暑夜 征人 夢 驚き易く
半ば暗牖を開きて 深更に立つ
始めて知る 快雨の蘇鉄に灑(そそ)ぐを
花に微香有り 葉に声有り
注
征人:たびびと
驚:ここでは目がさめること
暗牖:暗い窓
深更:深夜
始:それ以前のことに対して開始をあらわす。そういう状況になってはじめて,の意。
灑:ふりそそぐ
蘇鉄:ソテツ
訳
旅館でできた詩
夏の暑い夜,旅人の眠りはさめやすく
暗い窓を半分開いて,真夜中にたたずむ
すると,窓の前のソテツに気持ちよい雨が降り注いでいることにはじめて気づいた
花からはかすかな香りがただよい,葉からは雨に打たれる音がきこえてくる
補足
那智勝浦の旅館に泊まった夜を詠んだ一首をアップするのを忘れていました。これで南紀旅行の詩はすべてアップし終わりました。
ソテツの花にたぶん香りはないのですが,まああまり細かいことは気にしないことです。
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