瀞峡 其一【2009.07】
瀞峡 其一
雲色山光一様淸
靑杉映水影分明
飛橋跨峡如殘虹
人不往来孤鳥鳴
2009年7月
押韻
淸・明・鳴:下平声八庚韻
訓読
瀞峡 其の一
雲色 山光 一様に清く
青杉 水に映じて 影 分明なり
飛橋 峡に跨(またが)りて残虹の如く
人 往来せずして 孤鳥 鳴く
注
分明:くっきり
飛橋:空高くにかかる橋
殘虹:消えかかる虹
訳
瀞峡
雲の色も山の光もおしなべて清らかで
青々と茂る杉が川の水に映す影がくっきりと見える
空高くにかかる橋が峡谷にまたがって,まるで消えかかる虹のようにたよりなく
そこを人が行き来することはなく,たった一羽の鳥が鳴いているだけだ
補足
この日,那智勝浦の宿をあとにして,朝からバスで北山川べりの「志古」というところに向かいました。ここから瀞峡まで往復するウォータージェット船が出ているのです。瀞峡まではフルスピードでさかのぼりますが,瀞八丁のあたりにくるとスピードを落としスライド式の屋根を開いてくれるので,存分に景色を堪能できます。
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