舟遊江州八幡水郷 其五

燕児飛疾影將後
葦子生繁風易鳴
閑櫂不驚楊下鷺
舟中語絶遠聞鶯

2009年5月

押韻

鳴・鶯:下平声八庚韻

訓読

舟にて江州八幡水郷に遊ぶ 其の五

燕児 飛ぶこと疾くして 影 将に後れんとし
葦子 生ふること繁くして 風 鳴り易し
閑櫂 驚かさず 楊下の鷺
舟中 語 絶えて 遠く鶯を聞く

燕児:ツバメの子という意味もあるが,単にツバメのことも指す.ここでは後者
:ついていけずにおくれる
:カワヤナギ

船で近江八幡の水郷に遊ぶ

ツバメの飛ぶスピードが速すぎて,その影もついていけずにおくれそう
ヨシは密集して生えているので,風が音を立てやすい
船頭のしずかな櫂さばきはカワヤナギの下にいるサギを驚かすこともなく
舟の中では話し声が途絶えて,遠くからウグイスの声が聞こえてくる

補足