舟遊江州八幡水郷 其四

微浪盡邊蒲柳靜
嫩葭搖處葦鶯喧
水郷内外風吹綠
白鷺遙飛燕近翻

2009年5月

押韻

喧・翻:上平声十三元韻.対句のため起句は踏み落とし

訓読

舟にて江州八幡水郷に遊ぶ 其の四

微浪 尽くる辺り 蒲柳 靜かに
嫩葭 揺るる処 葦鶯 喧し
水郷の内外 風は緑を吹き
白鷺 遥かに飛び 燕 近くに翻る

蒲柳:カワヤナギ.シダレヤナギとは別の種類.
:わかい
葦鶯:ヨシキリ

船で近江八幡の水郷に遊ぶ

さざなみが尽きる辺りにはカワヤナギがしずかに枝をひろげ
若いヨシが揺れるところにはヨシキリの声がにぎやか
水郷の内外で風が新緑を吹き抜け
白いサギが遥か遠くを飛び,ツバメが近くで身をひるがえす

補足

水郷ではヨシのほかにカワヤナギもあちこちで見かけます.カワヤナギはシダレヤナギとは外見が全く異なり,別の種類ですが,同じヤナギ科の植物ではあります.