遊江州八幡水郷 其三【2009.05】(舟にて江州八幡の水郷に遊ぶ 其の三)
舟遊江州八幡水郷 其三
両岸蒹葭欲掠舷
鷺鷥飛起客舟前
一過橋下景開曠
遠水遙山帯碧煙
2009年5月
押韻
舷・前・煙:下平声一先韻
訓読
舟にて江州八幡水郷に遊ぶ 其の三
両岸の蒹葭 舷を掠めんと欲し
鷺鷥は飛び起つ 客舟の前
一たび橋下を過ぎれば 景 開曠し
遠水 遥山 碧煙を帯ぶ
注
蒹葭:蒹はオギ,あるいはまだ穂の出ていない若いヨシ,葭は若いヨシ.
掠:かすめる
鷺鷥:サギ
開曠:ひろびろとひらけている
訳
船で近江八幡の水郷に遊ぶ
両岸においしげるヨシが船べりをかすめそうになり,
旅人を乗せた舟の前を,サギが飛び立つ
そんな狭い水路の景色も,ひとたび橋をくぐると一変して広々と広がり
遠くまでひろがる水と遥かに見える山には青いもやがかかっている
補足
水郷めぐりの舟は10本の橋の下をくぐりながら,狭い水路を通り抜け,広々とひろがる湖面を進み,飽きることがありません.おいしげるヨシはほっておくと水路をふさぐほどになるため,観光船の船頭さんたちが中心になってボランティアで刈り取るのだそうです.全く頭の下がる思いです.
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿