丁酉元旦登摩耶山 其一【2017.01】(丁酉元旦 摩耶山に登る 其の一)
丁酉元旦登摩耶山 其一
好奇何厭險兼寒
崖樹帶霜氷未乾
男子克艱期底事
掬星臺上歳朝看
2017年1月
押韻
寒・乾・看:上平声十四寒韻
訓読
丁酉元旦 摩耶山に登る 其の一
好奇 何ぞ厭はん 険と寒とを
崖樹 霜を帯びて 氷 未だ乾かず
男子 艱に克って底事をか期す
掬星台上 歳朝の看
注
丁酉:ひのとのとり。平成29(2017)年。
摩耶山:神戸市灘区の山。標高702m。六甲山地の中央に位置し、八つの国が見渡せることから「八州嶺」という別名を持つなど、すぐれた眺望で知られる。山上には忉利天上寺(通称:天上寺)があり、空海がこの寺に摩耶夫人(釈迦の生母)の像を安置したことから摩耶山の名がつけられた。現在では有名な初日の出スポットのひとつとなっている。
好奇:珍しいものを好むこと。
兼:並列の助字。二つ以上のものを同等に列挙して、「~と・・・と」という意味をあらわす。「與」と同じだが、「與」は仄声、「兼」は平声。
崖樹:崖に生えた樹木。
克艱:困難に打ち勝つ。乃木希典《爾靈山》「男子功名期克艱」
掬星臺:摩耶山の山頂にある展望広場。阪神間の街並みを見渡すことができ、その眺望は「日本三大夜景」のひとつに数えられる。
歳朝:元旦。
看:見る、眺める。ここでは名詞として、見ること、眺め、の意。
訳
丁酉の年の元旦、摩耶山に登る その一
もの好きな私が山の険しさや寒さごときをどうして嫌がるだろうか、そんなことは大したことではない
崖に生える樹には霜が降り、地面に張った氷はまだとけない
大の男が困難に打ち勝って心に期するのは一体何であろうか
それは掬星台の上からの元旦の眺めなのだ
補足
今年の元旦は初日の出を拝みに摩耶山に登りました。3首ほど詩を作ったので時間のあるうちにアップしておきます。
「何ぞ厭はん 険と寒とを」などと大げさに言っていますが、実際はケーブルカーとロープウェーで登るので楽なものです。ただ、思っていた以上の人出で、切符を買うのに30分以上待たされたので、その点だけは大変でした。もし、来年以降、元旦に摩耶山に登ろうと考えておられる方は、事前に切符を買っておかれることをお勧めします(切符は購入日から3日間有効です)。
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