丁酉元旦登摩耶山 其二

新正瑞氣海中凝
遂作紅輪穿浪昇
赫赫曉光晴宿靄
照來萬戸徹宵燈

2017年1月

押韻

凝・昇・燈:下平声十蒸声

訓読

丁酉元旦 摩耶山に登る 其の二

新正の瑞気 海中に凝り
遂に紅輪と作って浪を穿ちて昇る
赫赫たる暁光 宿靄を晴らし
照らし来たる 万戸 徹宵の灯

新正:正月。「正月」の意のときは「正」は平字。
瑞氣:めでたい気
遂:その結果、かくて
紅輪:真っ赤な玉。朝日のこと。
穿:穴をあける。突き通す。突き抜ける。突き破る。
赫赫:明らかなさま
宿靄:前夜からのもや。
戸:家。家屋。
徹宵:夜通し。徹夜。

丁酉の年の元旦、摩耶山に登る

新年のめでたい気が海の中で凝縮されて固まり
その結果、真っ赤な玉となって波を突き破って昇ってくる
燃えるような朝の光が昨夜から残るもやを晴らし
たくさんの家々で年越しのため夜通しともされていた灯りを照らし始める

補足