對月懷人【2021.09】(月に対して人を懐ふ)
對月懷人
老來秋夜舊懷多
回想郷朋相琢磨
遠路無由圖再會
電郵欲問月如何
2021年9月
押韻
多・磨・何:下平声五歌韻
訓読
月に対して人を懐ふ
老来 秋夜は旧懐多し
回想す 郷朋 相ひ琢磨せしを
遠路 再会を図るに由無く
電郵 問はんと欲す 月は如何と
注
舊懷:昔をなつかしむ心。
郷朋:郷里の友。
琢磨:玉をみがくこと。転じて、努力して学問や人徳をみがき修めること。「切磋琢磨」
電郵:電子メール。電子郵件の略。
訳
月に向き合って人をおもう
年をとると秋の夜は昔を懐かしむ気持ちが強くなり
郷里の友と切磋琢磨した頃が思い出される
だが遠方のこととて再会を図るすべもなく
「今夜の月はどうか」とメールでもしてみようかと思う
補足
春風吟社10月提出の題詠です。ありふれたテーマだけに新味を出すのが難しいのですが、昔と違って現代は遠く離れていても意思疎通ができるところに焦点をあてて詠んでみました。
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