重詠檻虎

聲若雷鳴眼電光
隆隆筋骨勁於鋼
一身苟且託樊檻
威武依然百獣王

2023年5月

押韻

光・鋼・王:下平声七陽韻

訓読

重ねて檻虎を詠ず

声は雷鳴の若く 眼は電光
隆隆たる筋骨 鋼より勁し
一身 苟且に 樊檻に託すとも
威武 依然 百獣の王

苟且:かりそめに。一時、しばし。
威武:強く勇ましい力。

重ねて檻の虎を詠む

声は雷鳴のように轟き、眼は電光のように閃く
隆々たる筋骨は鋼よりも強靭だ
かりそめにその身を檻に委ねてはいても
その力強い勇ましさは依然として百獣の王と呼ぶべきものである

補足

檻虎【2023.05】を詠んだ後に、もう一首、檻の虎をテーマに絶句を詠みました。「檻虎」の内容は悲哀に満ちたものになってしまったので、この詩では檻の中でも変わらぬ虎の誇り高い風格をたたえる内容にしてみました。