綠陰讀書

凭幹繙經樹影深
咿唔朗誦和鳴禽
方知無上讀書樂
不在鷄窗在午陰

2023年4月

押韻

深・禽・陰:下平声十二侵韻

訓読

緑陰読書

幹に凭り経を繙けば 樹影 深く
咿唔 朗誦して 鳴禽に和す
方に知る 無上の読書の楽しみは
鶏窓に在らず 午陰に在り

繙經:聖賢の書をひもとき読む
咿唔:本を音読する声の形容
鷄窗:書斎
午陰:昼の木陰

緑陰での読書

樹の幹にもたれて聖賢の書をひもとけば樹木の影は濃く
声に出して朗読して鳥の鳴き声に調子を合わせる
まさに今わかった、この上ない読書の楽しみは
書斎ではなく、昼の木陰にあるのだと

補足

2023年5月提出の春風吟社の題詠です。緑陰を詠み、読書を詠み、かつ、その両方が結びついていなければいけません。簡単そうで難しい題です。