謹賦宸題 友

藺廉刎頸契無雙
管鮑畢生窮達同
死友貧交如不在
英雄豈可作英雄

2023年1月

押韻

雙・同・雄:上平声一東韻(雙は江韻からの借韻)

訓読

謹んで宸題「友」を賦す

藺廉 刎頚の契は双ぶもの無く
管鮑は畢生 窮達同じうす
死友 貧交 如し在らずんば
英雄も 豈に英雄と作るべけんや

宸題:天子の出す詩歌の題。ここでは宮中歌会始のお題。令和5年(2023年)のお題は「友」
藺廉:藺相如と廉頗。ともに戦国時代の趙の上卿
刎頸:刎頚の交わり。廉頗と藺相如の二人は互いに相手のために首をはねられてもかまわないという誓いを結んだ。
管鮑:管仲と鮑叔。貧しい時からの友情を終生守り抜き、ともに斉の桓公に仕えて桓公を覇者に押し上げた。 杜甫《貧交行》「君不見管鮑貧時交 此道今人棄如土」
死友:相手のために命を惜しまない友。

つつしんで御題の「友」で詩を詠む

藺相如と廉頗の刎頚のちぎりの堅さにならぶものはなく
管仲と鮑叔は生涯にわたって窮達をともにした
命がけの友や貧しいころからの親交がなければ
彼らのような英雄であっても英雄になることはできなかったのだ

補足

今年も例によって歌会始の御題を漢詩で読んでみました。友情に関する故事を盛り込みつつ、結句の繰り返しのレトリックでなんとかまとめてみた感じです。