紅葉

池頭楓樹映漣明
墜葉繡汀欺落英
面觀天然圖畫妙
丹朱深淺筆縦橫

2022年10月

押韻

明・英・橫:下平声八庚韻

訓読

紅葉

池頭の楓樹 漣に映じて明らかに
墜葉 汀を繍して 落英を欺く
面観す 天然の図画の妙
丹朱 深浅 筆 縦横

墜葉:落葉
繡:ぬいとり(刺繍)をする。美しく飾る。
欺:~かと見間違う
面觀:まのあたりに見る。
丹朱:赤い色の絵の具、赤い色。

紅葉

池のほとりの紅葉したカエデがさざ波に明るく映り
水際をふちどるように飾る落葉は落花かと見まがう
ここでは自然が描く絵画の妙をまのあたりにできる
深浅さまざまな赤が縦横の筆で塗り分けられているのだ

補足

春風吟社10月提出の題詠です。題が「紅葉」というだけで何の限定もないため、設定が自由すぎて、どういう切り口で紅葉を取り上げるかなかなか決まらず難渋しました。