三月十一日

十年一日嘆應切
一日十年悲尚新
四萬生黎家未復
幾多拱木又回春

2021年3月

押韻

上平声十一真韻:眞・春

訓読

三月十一日

十年一日の嘆き 応に切なるべく
一日十年の悲しみ 尚ほ新たならん
四万の生黎 家 未だ復さず
幾多の拱木 又た春 回る

十年一日:十年が一日のように長い間何も変わらないさま。
四萬生黎:四万の人民。令和3年3月現在なお四万一千人あまりが避難生活を続けている。
拱木:抱きかかえるほどに大きくなった墓木。死後、年月が経過したことをあらわす。 白居易《六十六》「交遊成拱木 婢僕見曾孫」 西脇呉石《海石先生十三回忌辰賦》「永訣容易十三歳 墓木已拱宿草生」

三月十一日

十年一日のごとく何も変わらないという嘆きはきっと切実に違いないし
一日が十年のように長く感じる悲しみは今なお新ただろう
四万の人々がまだ自宅を取り戻せないまま
今では抱きかかえるほど大きくなったあまたの墓木に、また春がめぐってくる

補足

東日本大震災から十年を迎えて詠んだ詩です。