聽鶯【2021.02】(鶯を聴く)
聽鶯
一夜東風梅色新
朝來黃鳥弄喉頻
詩家自適卻多事
昨日詠冬今詠春
2021年2月
押韻
上平声十一真韻:新・頻・春
訓読
鶯を聴く
一夜の東風 梅色 新たに
朝来 黄鳥 喉を弄すること頻りなり
詩家の自適は却って事多し
昨日は冬を詠じ 今は春を詠ず
注
朝來:朝から
黄鳥:ウグイス
弄:たくみに操る
自適:自分の心に合うように気ままに暮らすこと。「悠々自適」
訳
ウグイスを聴く
昨夜ひと晩吹いた東風ですっかり春めき、色も新たに梅の花が咲いて
朝からウグイスがしきりに喉を披露している
詩人の気ままな暮らしはかえってやることが多いもので
昨日は冬の詩を作ったところなのに今はもう春の詩を作っている
補足
春風吟社3月提出の題詠です。非常にシンプルでオーソドックスな詩題であり、もうすっかり詠み尽くされたテーマかもしれません。今回は急に春めいたことに対する喜びを少しひねくれた視点で描いてみました。
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