篠山猪羹 其二【2019.03】(篠山の猪羹 其の二)
篠山猪羹 其二
豐姸不背牡丹名
膏露下咽元氣生
君唱俚謡吾撃缶
此香此味動羇情
2019年3月
押韻
名・生・情:下平八庚
訓読
篠山の猪羹 其の二
豊妍 背かず 牡丹の名
膏露 咽を下れば 元気 生ず
君は俚謡を唱(うた)へ 吾は缶(ほとぎ)を撃たん
此の香 此の味 羇情を動かす
注
(其の一の語注も参照)
豐姸:ふっくらしてあでやか。もともと美人の形容。
牡丹:しし鍋は別名、牡丹鍋とも呼ばれる。
膏露:うまみのある露。甘露。すばらしい味の飲み物のたとえ。
俚謡:民謡、俗謡。篠山ならデカンショ節など。
撃缶:ほとぎ(酒つぼ)をたたいてリズムを取る。
羇情:旅情。
訳
篠山の猪鍋 其の二
皿に盛られた猪肉はふっくらあでやかで牡丹の名を裏切らない
天から下される甘露のような美味い汁がのどを下ると元気が出てくる
さあ君は民謡を歌ってくれ、私は酒ツボでリズムを取ろう
猪鍋のこの香、この味が旅情をかき立てるのだ
補足
猪肉には豚肉にはない独特の味わいがあり、嫌いな人はこれを「臭み」と感じますが、好きな人にとっては、まさに「膏露」です。
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