新春偶感【2018.01】
新春偶感
羹餠熟成香氣催
新衣着得意悠哉
一身溫飽已知足
何以砕金浮酒杯
2018年1月
押韻
上平声十灰韻:催・哉・杯
訓読
新春偶感
羹餅 熟し成って 香気 催す
新衣 着し得たれば 意 悠なるかな
一身の温飽 已に足るを知る
何ぞ砕金を以て 酒杯に浮かべんや
注
偶感:ふと感じる。ふと感じたこと
羹餠:雑煮。「羹」はあつもの、汁、スープ。
溫飽:「溫衣飽食」の略。衣食に困らないこと。
砕金:砕かれた金。美しい詩文のたとえとして用いることが多いが、ここでは文字通り金粉のこと。
訳
新春ふと感じたこと
お雑煮が出来上がり美味しそうな香りがただよってくる
おろしたての服を身に着けると気持ちもゆったりする
わが身の衣食に困ることはない、それだけで十分満足だ
どうして酒杯に金粉を浮かべて飲むような贅沢をしたりするだろうか
補足
年末年始になると、金粉入りの日本酒を見かけることが多く、それを題材に詩にしてみました。「羹餠」「新衣」「一身溫飽」と、大塩先生の詩(『題不知』)を下敷きにしています。
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