除夜作

萍泊頃來僑海濱
舊年將改意偏伸
歳除港市君知否
汽笛數聲先報春

2018年1月

押韻

上平声十一真韻:濱・伸・春

訓読

除夜の作

萍泊 頃来 海浜に僑す
旧年 将に改まらんとして 意 偏へに伸ぶ
歳除の港市 君 知るや否や
汽笛 数声 先ず春を報ず

萍泊:浮草のようにさまようこと。
頃來:ちかごろ。このところ。
:他郷に仮住まいする
歳除:おおみそか

除夜の作

浮草のようにさまよう私は、近頃、海のほとりに仮住まいしている
古い年がもうすぐ改まろうとしている今、気持ちは格別に伸び伸びしている
大晦日の港町がどんな感じか、ご存じだろうか
除夜の鐘ではなく、何回か鳴り響く船の汽笛が最初に新年を告げるのだ

補足

神戸の地元民ではないので、毎年のことなのか、たまたまなのかよくわからないのですが、大晦日の年越しのタイミングで汽笛が聞こえてきたので、それを除夜の詩に詠み込んでみました。