晏起偶成【2025.04】
晏起偶成
下瞰危峰飛碧空
纔逃虎穴宴龍宮
百年不老非仙術
總是一場春夢中
2025年4月
押韻
上平声一東韻:空・宮・中
訓読
晏起偶成
下に危峰を瞰て 碧空を飛び
纔かに虎穴を逃れて 龍宮に宴す
百年 老いざるも 仙術に非ず
總て是れ 一場の春夢の中
注
晏起:朝遅くに起きること。朝寝坊
纔:~するやすぐに、~したかと思うともう。 白居易《潮》「早潮纔落晩潮來」
訳
朝寝坊してたまたま出来た詩
高く聳える峰を下に見下ろしながら青空を飛びまわり
虎穴のごとき危地をやっと脱したと思ったら、もう龍宮のごとき楽園で酒盛りしている
百歳になっても年老いることがないが仙術というわけでもない
これらはすべて、さっきまで見ていた一晩の夢の中のことなのだ
補足
いわゆる「夢オチ」を七言絶句にしてみました。この詩を作ってからふと思ったのですが、20代のころは毎晩のように見ていた空を飛ぶ夢を見ることが、この十年来全くなくなりました。孔子も「甚矣、吾衰也、久矣、吾不復夢見周公也(甚しきかな、吾が衰えたるや。久しきかな、吾が復た夢に周公を見ざること」と嘆きましたが、加齢そのものが脳に作用して夢の内容を変えるのか、加齢による心理や生活の変化が夢を変化させるのか、不思議なことではあります。

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