殘暑苦吟【2023.09】
殘暑苦吟
涼風不起日西埀
倦憊空嘆秋信遲
一日呻吟無一字
晩蟬聲急濫催詩
2023年9月
押韻
上平声四支韻:埀・遲・詩
訓読
残暑苦吟
涼風 起こらず 日 西に垂る
倦憊 空しく嘆く 秋信 遅きを
一日 呻吟して 一字無く
晩蝉 声 急にして 濫りに詩を催す
注
倦憊:倦みつかれる。くたびれる
秋信:秋のおとずれ。秋のたより。
呻吟:うめき苦しむ。苦しんでうなる。
晩蟬:夕暮れに鳴くセミ。
催詩:詩を作るようにうながす。 杜甫《陪諸貴公子丈八溝納涼晩際遇雨》「片雲頭上黑 應是雨催詩」
訳
残暑のなか苦吟する
涼風が起こることなく日が西に傾いていく
私はくたびれ果てて秋の訪れの遅いのを無駄に嘆くばかり
一日中うめき苦しんで一文字の詩句も思い浮かばず
夕暮れのセミがせわしなく鳴いて、むやみに詩をうながすのが鬱陶しい
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