聞子規

客枕寥寥聞子規
頑愚難認半生非
莫嘲遊子浮雲意
知不如歸肯未歸

2025年4月

押韻

上平声五微韻:規(支韻からの借韻)・非・歸

訓読

子規を聞く

客枕 寥寥として 子規を聞くも
頑愚 認め難し 半生 非なるを
嘲ふ莫れ 遊子 浮雲の意
帰るに如かざるを知りて 肯へて未だ帰らず

注

子規:ホトトギス
遊子浮雲意:あてなく空を漂う雲のような旅人のよるべない気持ち。 李白《送友人》「此地一爲別 孤蓬萬里征  浮雲遊子意 落日故人情」
不如歸:古来、ホトトギスの鳴き声は「不如帰(帰るに如かず)」「不如帰去(帰り去るに如かず)」と聞きなされる

訳

ホトトギスを聞く

異郷の枕辺でさびしくホトトギスの声を聞く境遇に置かれても
頑固で愚かな私は自分の半生が誤りであったとは認めることができないでいる
浮雲のような旅人の思いを嘲わないでくれ
ホトトギスに言われるまでもなく「帰るにしかず」と知ってはいるが、それでもあえてまだ帰らないのだ

補足

春風吟社4月提出の課題詠です。「聞子規」という題の時点で、古典の世界で積み重ねられたホトトギスのイメージが詩の内容を大枠で規定しますので、そこを出発点にして、少しずらしたり、独自の角度で掘り下げたり、ということになるでしょう。新味を出そうとこだわりすぎると破綻しやすいので注意が必要です。