春陰閑居【2025.03】
春陰閑居
不晴不雨氣微暖
無喜無悲心較和
遮莫浣衣猶未燥
襤褸何礙守南柯
2025年3月
押韻
下平声五歌韻:和・柯(起句は対句のため踏み落とし)
訓読
春陰閑居
晴れず 雨ふらずして 気 微かに暖かく
喜び無く 悲しみ無くして 心 較 和らぐ
さもあらばあれ 浣衣 猶ほ未だ燥かざるは
襤褸 何ぞ礙げん 南柯に守たるを
注
春陰:春曇り
較:やや。比較的。
遮莫:さもあらばあれ。以下のことはかまいはしない
浣衣:衣服を洗うこと、また洗った衣服。
襤褸:ぼろ。つづれ。破れ衣。
守南柯:南柯郡の太守となる。唐の淳于棼が槐樹の下で昼寝したところ夢の中で「槐安国」に招かれて国王の女婿となり、「南柯郡」の太守に任ぜられ、治績をあげて顕栄を極めた。昼寝から覚めて槐樹の下を調べると巨大な蟻の巣穴が広がっていた。
訳
春曇りの日の閑適の暮らし
晴れるわけでも雨が降るわけでもなくて空気は少し暖かく
とりたてて喜ぶことも悲しむこともなく心は比較的おだやかだ
洗った服がまだ乾かず着ることができないが、構いはしない
間に合わせにぼろを纏っていても夢の中で南柯郡の太守となるのに支障はないのだ
補足
2025年3月提出の春風吟社課題詠です。春先の曇り空は洗濯物が乾きにくくて困るなあというのを、故事を使ってひっくり返してポジティブに詠んでみました。

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