寒夜口占

風雪縱橫撼屋號
靑燈欲凍冷侵袍
淒涼獨夜非無樂
炙有柔魚煖有醪

2025年2月

押韻

下平声四豪韻:號・袍・醪

訓読

寒夜口占

風雪 縱橫 屋を撼かして號び
靑灯 凍らんと欲して 冷 袍を侵す
淒涼たる獨夜 樂しみ無きにしも非ず
炙るに柔魚有り 煖むるに醪有り

注

獨夜:ひとりさびしく居る夜。 袁朗《秋夜獨坐》「新秋百慮淨 獨夜九愁深」
柔魚:するめいか。 《本草綱目・烏賊魚》「附錄、柔魚、頌曰、一種柔魚與烏賊相似、但無骨爾」

訳

寒い夜に口ずさんで出来た歌

雪混じりの風が縦に横に吹きすさび、家を揺り動かして唸り声をあげる
書斎の灯火も凍りそうに冷ややかで、冷気が服に沁み込んでくる
こんなうら寂しい孤独な夜にも楽しみがないわけではない
炙るにうってつけのイカはあるし、お燗するのによいどぶろくもある

補足

昨年11月に築古マンションに引っ越したところ、アルミサッシに単板ガラスという典型的な昭和窓で、断熱性はゼロ、風も容赦なく吹き込んできます。おまけに三角形の出窓(新築当時は流行ってたんでしょうね)が外に飛び出しているので、風の強い夜はそこに風がぶち当たり、まさに詩中にあるように轟音を響かせます。そんな夜は炙ったイカでも肴にして飲むしかねーな、という思いを詩にしたものです。

追記

その後、内窓を施工したことで昭和窓の悩みからは完全に解放されました。