驟暖

脫卻褞袍出小齋
欣然乘暖討春回
只看處處多鼽嚔
花粉乃先花信來

2025年2月

押韻

上平声十灰韻:齋(佳韻から借韻)・回・來

訓読

驟暖

褞袍を脱却して 小斎を出で
欣然 暖に乗じ 春を討ねて回る
只だ看る 処処 鼽嚔 多きを
花粉は乃ち花信に先んじて来たる

注

褞袍:どてら、ぬのこ
鼽嚔:鼻づまりとくしゃみ
乃:強調の接続詞。元々存在していた事実をあらためて再認識した驚き、感動などのニュアンスを帯びる。
花信:開花のたより 

訳

どてらを脱ぎ捨てて我が書斎から外に出て
ウキウキと暖かさに乗じて春を探して経めぐる
しかしあちこちで見かけるのは、鼻づまりやくしゃみの人ばかり
開花のたよりに先んじてやって来るのは花粉なのであった

補足

2025年2月提出の春風吟社課題詠です。にわかに暖かくなったことをどう表現するかが工夫のしどころであり、悩ましい点でもあるのですが、たまたまテレビで「早くも花粉症が云々」と言っていたので、これは使えると思って転結のオチに持ってきました。