暑日讀書【2022.08】(暑日 書を読む)
暑日讀書
咿唔習誦噪蟬中
流汗淋漓扇少功
堪喜讀書誤生計
敝窗破壁快風通
2022年8月
押韻
中・功・通:上平声一東韻
訓読
暑日 書を読む
咿唔として習誦す 噪蟬の中
流汗 淋漓として 扇に功 少なし
喜ぶに堪へたり 読書して生計を誤るを
敝窓 破壁 快風 通ず
注
咿唔:読書の声の形容。
習誦:ならい読む。繰り返しとなえる。
堪:十分~できる
讀書誤生計:読書(学問)ばかりして世渡りを誤った。夏目漱石の無題詩に「人間五十今過半 愧爲讀書誤一生」とあり。なお、この漱石の詩では「書」が孤平となっている。拙詩も「書」の前後が仄字だが、下三字を挟み平にしているためこの孤平は許される。
訳
暑い日に読書をする
騒がしい蝉の声の中で声を上げて繰り返し読んでいると
汗がしたたり落ちて団扇ではほとんど役に立たない
こんな時には読書のために世渡りを誤ったことを喜ばしく思える
貧乏なおかげで割れ窓や壊れた壁から気持ちいい風が吹き入ってくるのだから
補足
春風吟社8月提出の題詠です。「敝窓 破壁」は大げさですが、エアコンもなしに天然の風だけで猛暑をしのいでいるのは事実なので、題詠とはいえ、あながちフィクションではありません。
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